こんにちは!はじめまして、胡内佑規と申します!形成外科専門医です!
現在美容外科医として働いておりますが、一般病院の形成外科で勤務していた時は、患者さんに「整形外科と何が違うんですか?」ときかれることが多かったです。美容施術を行う時も「美容整形って整形外科でやると思ってました。」と、一度や二度ではありませんでしたよ!顔の形を整えることを整形っていうし、形成外科ってあまり馴染みがないし、そもそも病院へあまり行かないので興味ない??でもいざ自分がかかる時にどの科に行ったらいいのかわからず困ることもあります。
また、美容クリニックを選ぶ上で大事な要素も込められています。なるべく丁寧にまとめてみましたので、ゼヒご覧ください!
・形成外科と美容外科と整形外科
形成外科:「体表の外科」と言われており、その名の通り目に見える皮膚などの表層、見た目に直結する部位の治療を行います。なので様々な部位の骨折の中で、顔面の骨折は形成外科が担当します。眼瞼下垂や熱傷、唇裂・口蓋裂など先天性疾患の治療、悪性腫瘍切除後の顔や四肢の再建、顕微鏡を用いた血管やリンパ管の吻合などを主に行っております。
美容外科:外見を美しくすることを目的とした分野。病気や怪我などに対する治療ではないので基本的に自由診療(保険適用外)である。詳細は後述します。
整形外科:主に骨や筋肉、靭帯など運動に関わる部位を扱います。首や肩腰の痛み、骨折、脱臼、ヘルニアなどを治療します。形成外科が体表外科であれば、整形外科はそれより内部の治療を行います。部活での怪我、年齢的な腰痛など患者さんは若年から高齢者まで幅広く、非常にニーズの高い科です。
「美容整形」とはいいますが、整形外科とは全く関係ありません。前述のとおり、顔面の骨折は審美面の考慮も必要なので整形外科では扱いません。
・診療科について
まず、医師というのは基本的に初期研修2年間(この期間中に色々な科をまわり経験を積む。執刀などの大きな責任の伴う医療行為は初期研修中では基本的にはできない。)の後、以下の診療科に分かれて専攻医としての研鑽を積みます。
初期研修後の進路は基本的には19の領域に分かれ、内科、小児科、皮膚科、精神科、外科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、脳神経外科、放射線科、麻酔科、病理、臨床検査、救急科、形成外科、リハビリテーション科、総合診療科の中から選びます。この最初に選ぶ診療科を、「19の基本領域」や「基本領域19診療科」と呼ぶこともあります。
この各科で研鑽を積み専門医を取得した後、その科に携わるサブスペシャリティ(各診療科の下に連なる細かな専門分野。)領域へ進み自身の専門性を磨いていきます。
これは日本専門医機構が各学会と連携し教育体制を整えたもので、厚生労働省に認められた制度です。日本専門医機構は「国民から信頼される専門的医療に熟達した医師を育成し、日本の医療の向上に貢献することを目指すこと」を目的に発足、つまりはすべての患者さんに標準的な医療を、つまり患者さんが安心して良質な医療が受けられるようにするというのが第一の目的であると筆者自身は考えております。
―――あれ??美容外科が入っていない??
・形成外科と美容外科
美容外科というのは、形成外科の中の一分野とされており、基本診療科には含まれておりません。形成外科専門医取得後のサブスペシャリティのひとつです。
形成外科は「体表の外科」と申しましたが、見える部分の治療を行うことが多いことから機能的部分はもちろん、審美的要素も重視されます。たとえば保険診療の眼瞼下垂の手術にしても、下がった瞼を上げるだけではなく、可能な限りきれいな瞼、二重などにこだわって手術を行います。大原則として、機能面>審美面の優先順位となります。二重術でどれだけきれいな二重を作ったとしても、その眼が閉じない、または逆に瞼が下垂してしまうなど、本末転倒です。機能面を優先すべきであることは美容外科でも当然のことですが、十分な鍛錬を積んでいない美容外科医においては、それが逆転してしまうこともしばしばあるのが現状です。昨今の美容外科の課題でもありますが、はっきりとした教育体制が整っていないことが度々話題になっています。それは美容医療の需要が高まったことによる業界の肥大化、医師免許さえあれば前述の研修を行わなくても美容外科として働くことはできるというハードルの低さが一因であるとされています。大手含め各クリニックも独自の指導方針をとっており、標準的なガイドラインが定まっておりません。その中で、どのような医師が最善の治療を行えるのか?一形成外科専門医として、個人的な意見も含みますがひとつのこたえを述べさせていただきます。
筆者においては、診察における「診る力」、手術への向き合い方、種々の問題への予防策・対処法は、形成外科での診療で養われたと考えます。美容施術を行うにあたって形成外科専門医と十分な研修を積んでいない医師と比べると、単なる器用さや縫合のきれいさといった技術力でもその差は歴然ですが、一番の差は形成外科研修で培われた「形成外科的な思考力」だと考えます。それは顔や体の解剖学のみならず、どうやったらキズがきれいに治るか?ここの血流はどうなってる?動き方は自然?といった形成外科ならではの課題について常に考え、形成外科の基礎を徹底的にしみこませた上で備わるものであると考えます。もちろん他の外科系の診療科についても手術に対する考え、向き合い方などを徹底的に叩き込まれ鍛えあげられた医師達であることには違いありません。ただ手技の繊細さ考え方のクセなど、美容外科との親和性については、形成外科に勝る科はないと考えております。
・美容医療とは?
大きく分けると、形を整える(変える)施術と若返り施術、肌治療に分類されます。
形を整える手術:顔や体の形を整える手術です。顔であれば二重手術や目頭切開、鼻整形、口角挙上など、体であれば豊胸や脂肪吸引などによるボディラインの形成などが挙げられます。注入系でも涙袋や口唇へのヒアルロン酸はここに分類されます。
若返り施術:ボツリヌストキシンやヒアルロン酸注入によるしわやたるみの改善、外科治療であればクマとりやフェイスリフトがここに分類されます。
肌治療:しみやニキビの治療や肌育など、主に美容皮膚科の分野となります。
・美容医療で得られるもの
美容医療で「美」を得ることは素晴らしいことです。ただ、それ自体がゴールではないと考えます。美容施術という一歩を踏み出す時、その先の自分を想像していただきたいのです。
「二重になった自分の顔が好きで、鏡を見る回数が増えた!」
「額がまるくきれいになって、おでこを出すヘアスタイルが増えた!」
「二の腕がシュッとしてノースリーブを着る回数が増えた!」
美を手にしたことによって自己肯定感が上がり、笑顔が増える、胸を張って歩けるようになる。美容医療はあくまで、その先のHappyを得るための手段であり、より豊かな生活を楽しむチャンスである、そのチャンスに最高のアシストをお送りしたいと考え、日々の診療に励んでおります。
・当院では
つだ美容外科クリニックでは形成外科で研鑽を積んだ後に美容外科として豊富な症例を経験した津田智幸院長と、形成外科専門医である筆者(胡内佑規。)がカウンセリングから施術、その後のフォローまで責任を持って担当いたします。遠方からの方や他院修正のご依頼なども承っておりますので、安心して当院にお任せください。美容医療でHappyに!