コラム

2025.10.10

二重手術の選び方 切開法?埋没法?埋没だったら挙筋法?瞼板法?表止め裏止め?

「きれいでぱっちりの目になりたい。」、「きつい印象でみられてしまう。」と、目元の悩みは人それぞれで、やはり二重への憧れを持つ方は多いです。
最近では、美容医療がより身近になり、二重施術のハードルも下がったように感じます。施術名(特に埋没法の)についても、様々なクリニックがいろんな名前でメニュー化していて、どれを選んだらいいのかわからなくなりませんか?どうしたら理想の二重になれるのか?カウンセリングの時に戸惑ってしまうことも多いでしょう。基本的なこと、大事なことについては、あらかじめ知っておいた方がカウンセリングの時に困らないし、理想の二重への近道となりますので、ゼヒみていってください!

・二重の原理
まずは瞼の大まかな構造について、睫毛の裏側には瞼板(けんばん)という軟骨のような組織があり、ここに眼瞼挙筋という筋肉が付着していて、筋肉が収縮すると眼が開きます。眼瞼挙筋は眼の裏側から瞼板に連なる筋肉であり、瞼板に付着する付近では挙筋腱膜と呼ばれます。
眼を閉じている状態では、その人が二重かどうかはっきりしません。二重の人は、眼を開くと二重のラインが折り込まれてそれがわかります。それは、挙筋腱膜が皮膚への枝を出しているかどうかに左右され、二重の人は眼を開くときに挙筋腱膜の枝によって皮膚も一緒に引っ張られ、二重のラインが出ているということです。
これと似たような構造を作り、なおかつ好みのラインに合わせていくのが二重手術です。

・埋没法と切開法
施術は「皮膚を切るか切らないか」で大きく分類されます。もちろん切るのが切開法、切らなければ埋没法です。特徴・メリットデメリットについては、下にまとめました。

埋没法 切開法
施術法 糸を用いて二重の食い込みを作成する。 皮膚を切開し、挙筋腱膜など皮下の構造を用いて二重の折り込みを作る。
持続力 3-5年(個人差あり) 半永久的がほとんど
ダウンタイム 1-2週間 数か月
費用 10万前後 30万前後

埋没法は、とれてしまうことがデメリットとして挙げられますが、逆に言うと何度でもやり直しが効くということでもあり、それこそが埋没法の最大のメリットであると筆者は考えております。埋没法を何度か繰り返し、自分の好みの二重幅がこれと決まれば切開へ踏み切る人が多い印象です。

・挙筋法と瞼板法
埋没法には「挙筋法」と「瞼板法」と呼ばれる2つの方法があります。
それぞれの違いは糸を通す場所で、糸を眼瞼挙筋にかける場合は挙筋法、瞼板にかける場合は瞼板法とよばれます。
どちらもそこまで大きな違いはなく、現時点ではっきりとそこを論点とした論文なども出てきてはおりません。ただ、施術者の技量や患者様の瞼の状態によってはわずかながらも差が出てくる場合があり、その場合のメリット・デメリットを以下に示します。

・挙筋法
挙筋法の特徴とメリット:挙筋法はまぶたを持ち上げる眼瞼挙筋という筋肉に糸をかける方法となるため、まぶたの上側に糸が位置することになります。そのため、幅の広い二重に対応しやすく、かなり広い幅で二重を作成しようとした場合は、挙筋法でしか行うことができないということなります。
糸が眼球に触れにくくなり、角膜を傷つけてしまうという可能性が低くなります。
また、作成される構造が枝分かれした挙筋腱膜に似ているため、より自然な二重まぶたに見えるという指摘があります。ただ、日常生活の中で指摘されるほどの差が生まれることはほぼありません。
デメリット:一番のデメリットとしては眼瞼挙筋に糸をかけ、負担をかけることによる眼瞼下垂(瞼が十分に上がらず、視野を妨げてしまう状態。)の可能性があります。出血を起こしたり、糸のしめつけを強くしたりしすぎるとこのような症状が現れるため、一定の技術を持つ医師が施術することが推奨されます。また、前述の通り糸をかける位置がまぶたの上部に来るため、幅の狭い二重を作ることは難しいです。

・瞼板法
瞼板法の特徴とメリット:瞼板法は睫毛の裏のあたりにある「瞼板」という硬い組織に糸をかける方法です。瞼板は硬い組織であり、糸のかかり方が変化しにくく安定した形の二重になりやすいです。また、まぶたのすぐ裏にあり1cm程度の縦幅があるため、狭い二重幅を作りたい場合に適しています。
瞼板法では眼瞼下垂などの重篤な合併症の可能性は低いため、医師の技量による差が出にくいとの指摘もあります。

デメリット:瞼板はまぶたのすぐ裏にあり、術後数日間は糸が露出した状態にあるためとめる位置が瞼板の下部分にあると角膜を傷つける可能性が生じます。そのため特別な事情がない限り、瞼板の上縁付近を糸の固定点とします。
かなり広い幅で二重を作ろうとした場合、瞼板法では対応できない場合があります。

上記の通り両者メリットデメリットが各々挙げられます。最近は、「挙筋法の方がより高度で優れた手法である。」という論調でお話されることが度々あるのですが、どちらもそう大差ない、というのが筆者の意見です。逆に挙筋法は、眼瞼下垂というリスクが一定の確率で残るという最大のデメリットがあり、完全に優れた方法とは言えません。しかし瞼板法では目頭から幅の広い二重を作るのは難しいことがあります。
どちらが優れたやり方というのはなく、大事なのは術者が双方の違いを明確に理解しており、どちらで行ったとしても合併症の発生確率を極力抑えるよう尽力することであると考えます。

上記の考えに基づき、当院では、瞼板法を採用しております。ただ、やはりどうしても対応できない広い幅をご希望された場合は、挙筋法での施術となる可能性があります。ただその場合も術式についてしっかりと理解した上で合併症の確率を極力抑え施術を提供させていただきます。

・表止めと裏止め
糸玉を瞼の表でとめるか、裏でとめるかの違いです。
表止めの特徴:抜糸が裏止めと比べて簡単。糸玉が表に来るので、糸ポコが見える可能性がある。
裏止めの特徴:抜糸が難しい。他院で施術したものは抜糸がかなり困難となる。糸玉が眼球を傷つける場合がある。直後からメイク可能?

上記のような特徴が挙げられますが、埋没法の一番のメリットはその簡便さであり、やり直しが効くことだと筆者は考えます。その場合、抜糸(他院で行う場合も含めて。)についても簡便であることが必要と考え、当院施術はすべて表止めとしております。

・二重のデザイン
末広型:二重ラインのはじまりが蒙古襞に被さっており、黒目の内側あたりから狭くラインが出て、目尻にかけて二重幅が広がっていくデザイン。日本人の顔に馴染みやすく、自然で優しい印象を与える目元です。
日本人に最も多い二重のタイプで、蒙古襞が発達している場合は、二重はこの形になりやすい傾向があります。

平行型:二重ラインが目頭の上から目尻まで一定の幅があるまぶたです。二重の幅が広く蒙古襞がない西洋人に多く見られ、華やかで目元がはっきりとした印象を与えます。
非常に華やかな印象の目元になるため希望される方も多いです。日本人は蒙古襞が発達している場合が多く、平行型二重が似合わない顔立ちの方や、二重の幅を広くしすぎると不自然に見えてしまう方もいるため、カウンセリングでしっかりと仕上がりイメージを確認することが大事となります。

ミックス型といわれるデザイン:末広型と平行型の中間のようなデザイン。二重ラインは目頭にある蒙古襞の上からはじまり、目尻に向かって自然に広がるデザインです。どちらにも見せられるようなデザインです。自然な印象ながら目力があり、目元がくっきり見えるのが特徴です。「ナチュラルさ」と「華やかさ」のバランスがとれており、現在では多くの方がミックス型を好まれる傾向にあります。

・施術について
埋没法に関しては手術手技自体の難易度は高くなく、だれでもできる手術です。ただ、二重幅を希望通り正確に演出こと、特に左右差をあわせることについてはある程度の経験が必要と考えます。
切開法についても、形成外科専門医レベルであれば、眼瞼下垂の手術を数多く執刀しており、基本的手術の一つに数えられるほどで難易度は高くありません。ただ、あくまでこれは保険診療で外科医としてしっかりと研鑽を積み、日頃からメスを握ることに慣れている場合の話です!!現実にはやはり初期研修後メスを握る経験なく美容外科となる医師が非常に多いため、切開法が施術可能な美容外科医は多くありません。安心して施術を受けるために、形成外科専門医が常勤するクリニックを選ぶことが推奨されます。

・当院では
当院では、形成外科専門医の筆者(胡内佑規。)と、形成外科で研鑽を積み、美容外科で数多くの症例数を持つ経験豊富な津田智幸院長の二人がカウンセリングから手術、その後のフォローまで責任を持って担当させていただきます。施術料金の中に1年保証も含まれており、万が一左右差や食い込みの違和感などが出た場合は追加料金なく無料で修正なども行っております。美容医療で大切なことは、なんといっても「安心」のひとことに尽きると考えます。安心な美容医療をご希望の方は、つだ美容外科クリニックまでお越しくださいませ!美容医療でHappyに!

形成外科専門医 胡内佑規。

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